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マ**岩
人類5000年の歴史胎動の本質に迫る名著
米国マサチューセッツ州の著名な歴史学者、哲学者の William and Ariel Durant 夫妻の共著による「The Lessons of History」、英語のペーパーバック版は2010年に発売されている。この本がなぜ生まれたのか?夫妻はライフワークとして、人類5000年の歴史を俯瞰し、「The Story of Civilization 」(文明の物語 全10巻)を出版した。それによりビューリッツァー賞を受賞。歴史のみならず哲学にも深い洞察力を持つ夫妻のこの著作は、米国のみならず世界中の人々に読まれ、高い評価を得ている大作である。残念ながらこの「The Story of Civilization 」の邦訳版はどうも無い様で、Amazonで検索しても見当たらなかった(もし有ったら失礼!)。1、さて、この「The Story of Civilization 」は、全10巻と余りにも膨大なため、研究者や専門家はともかく、一般の人はまず読むことが難しい。そこで夫妻はその全10巻のエッセンスとも言うべき「重要なポイント」をピックアップし、人々に分かりやすく、13章からなるエッセイ風の文章にまとめたのが、この「The Lessons of History」(歴史の教訓)である。2、この本は、とてもコンパクトである。英語版は、ペーパーバックで出版されているが、Indexまで含めてわずか117ページである。つまり大作「The Story of Civilization 」(文明の物語)に記述された人類5000年の文明、歴史変遷のエッセンスを煮詰めて煮詰めて、凝縮し出来たものがすなわち「The Lessons of History(歴史の教訓)」なのである。3、夫妻の研究が一般的な歴史研究と異なっているのは、単に表層的に歴史の変遷を綴ったものでは無いということだ。例えて言うと、長い年月には地殻変動より地上の地形は徐々に変わって行く。新たな山脈が生まれたり、断層や噴火で川や湖が出来たり、地表の様相は変貌して行くが、それがどう変わって行くのかその表面的な変遷を調べるのではない。地表を動かしている地下の見えない部分、マグマの「エネルギーの正体」はいったい何なのか。歴史を動かしている根源は何なのかを、人類の5000年の歴史を通じて、その正体とそのメカニズムに迫るという極めて意欲的な研究であるからである。これを実証的に進めるということは気の遠くなるような膨大な作業を必要とし、深い知識に加え強靭な精神力が不可欠な大事業であるが、Durant夫妻は文字どおり自分たちの生涯をかけてライフワークとして取り組んだ。その「エッセンス」とでも言うべきものが「The Lessons of History」なのである。4、従って、事業家イーロン・マスクや世界最大のヘッジファンド創業者レイ・ダリオがこの本を読み、推薦するには理由がある。歴史を動かす「胎動の本質」が書かれているからだ。しかもコンパクトに。わかる人には「値千金」、わからない人には無価値の本なのだ。5、日本では「歴史の大局を見渡す」という題名で2017年に発売されている。邦訳版は176ページであるが、訳者の日本語訳がとても素晴らしい。原書の内容そのものが、10巻の大作を凝縮、圧縮、昇華させたものなので、一語一語とその文章表現にかなり深い意味が盛り込まれているのだが、それを損なうこと無く、的確に日本語化している。かなり力量のある翻訳者なのだろう。6、Amazonを見るとこの英語本の評価はものすごく高く、何と世界中からのレビュアー数約5000の内、なんと66%の人が⭐️5の評価だ。残念ながらこの本は、日本ではあまり知られていない様だ。日本語版の表題が「歴史の大局を見渡す」と異訳されている。また本の表装イメージと内容がマッチしていない(帯は良いが)。むしろ原題の「The Lessons of History 日本語版 」とした方が売れるのでは無いかと思われる。7、Durant夫妻が残してくれたこの洞察力に富む研究成果に、私たちが今日、容易にアクセスし享受出来るのは至福の限りだ。日本語版でも読めるが、英語版もペーパーバックでそれほど厚く無いので、高校生や大学生は夏休みなど時間のある時に読んでみることを薦める。ハラリのサピエンス全史とはまた違った切り口で、人類と歴史の本質に迫る珠玉の名著である。
湯**腐
まだ読んでない!
薄い本です。まだ読んでないです。すみませんただコレは大投資家のレイ・ダリオおすすめの一冊でありコレを読めばあなたも市場の勝者になれること間違い無し(?)です!
R**I
歴史からの教訓
1969年初版の歴史家Will Durant氏による歴史からの教訓集です。全11巻からなる本格的な歴史書を記したことで知られる著者だけに、上から目線で文明を語る中にも、なるほどと思わせる洞察もあります。例えば、地理政治経済的環境が文化、人を創る。社会構造が狩猟から、農耕、産業革命へと変化するにつれ、人として望まれる規範、価値観が変化した。潜在能力をより伸ばし活かすことのできる集団が社会としての生存競争を勝ち抜く。富の集中(格差社会)は自然の摂理で、時折富の再配分の政治的決断か革命が訪れる。資本主義への恐怖が社会主義国家での自由を拡大し、社会主義への恐怖が資本主義社会での平等を拡大した。歴史的には、大多数による統治は特定の統一された行動のための組織化が難しく不自然であり、多くの政府は少数派による統治だった。著者は、民主主義も富による少数統治と皮肉る。Platoを引用し、統治制度は、君主制、貴族政治、民主主義、専制君主制と変遷するとする。歴史から何かを学び、何かを後世に伝えようとする努力は理解できるのですが、著者の偏見、人種差別を示す表現が散見され興醒めします。彼の言う現代とはヒッピー全盛の1960年代。現代芸術の廃頽に苦言する姿を想像するに、一生懸命説教する頑固親父の姿が見えてきます。