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寂**漢
記録を伸ばすよりも大切なこと
ものすごくいい本。あまり広く知られたくない。でも早く邦訳を。トレーニングで競技のパフォーマンスを高めて記録を伸ばすことよりも大切なこと。それは怪我をしないこと。パフォーマンスの高低にかかわらず、「良くない動き」というものがある。特定の関節に負荷がかかる、ケガを誘発する動きである。こうした動きを抱えていれば、どんなに鍛えて能力を向上させても、それは同時に故障やリタイヤの時期を早めていることになってしまう。パフォーマンスが上がれば、身体への負担も大きくなるからである。今は関節を保護するギヤなども発達しているので、悪化を遅らせることはできるかもしれない。あるいは医療も進歩しているので、外科手術などによって再び競技に復帰できるかもしれない。しかし、それらもけっして根本的解決にはならないだろう。解決法はたった一つ、動き方そのものを変えるしかないのだ。このことは、ともすると重要性を実感しづらい。動き方を変えても、それがパフォーマンスに直結するとは限らないからだ。しかし、運動すればするほど健康や日常生活を害しかねない現在の状況において、本書のような視点は貴重ではないだろうか。特に、部活動など教育分野におけるスポーツ活動においては、今後こうした知識はいっそう不可欠になると思われる。また、そうした裾野が広がることによって、日本におけるトップアスリートの競技寿命が延びるかも知れない。才能豊かなトップ選手でも、若い頃からの運動履歴によって、何かしらの障害を抱えていたりするものである。むしろ、そうした世界の方が問題は深刻かもしれない。本書で具体的に説かれるのは、自重やゴムチューブ、ダンベル等を用いたエクササイズ、ストレッチの類である。そうした動きの中で、自分の身体に染み付いた動作を改善していくのである。詳しくは本書を参照されたい。また、運動には代謝を高める効果があるので、ケガの回復も促進できるのだという。既に非可逆的な障害を負ってしまったアスリートには効果がないかもしれないが、まだ痛みが慢性化しきっていない人にとって、本書は福音になると思われる。
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1 个月前
1天前