タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.350 アメリカ陸軍 M10 駆逐戦車 中期型 プラモデル 35350

なかなか手強いキットでした。

同スケールのM10駆逐戦車（中期型）は他社からも発売されていましたが、従来のキットから細部の解像度も上がり組み立てやすくなっています。履帯はT51型ポリエステル樹脂のベルト式、前照灯レンズはクリアパーツになり、砲塔内部の砲弾ラックには3インチ砲弾が設置できます。オープントップの砲塔内部から見える場所には3体のフィギュアが付属しています。ヘルメットに被せるゴーグルはクリアパーツで服の皺表現も細かくなりリアルに再現されています。より臨場感を表現させるために別売の積荷などを追加してやると更に良くなりそうです。

今度タミヤから出るM10アキリーズとこのキットを合わせて、M10後期型を作る予定です。

Clear instruction, easy to build, even for beginners.

米軍ファンが喉から手が出るほど欲しがった "1/35の正確なM10" が遂にタミヤから発売。この意味は大きい。1/35のM10といえば、かつては高価なレジンキットや、タミヤ旧版(約1/32スケール)しかなかった。近年、新金型で某A社などから発売されたものの、その出来は良くなく、「M10のようなもの」が出来る程度だった。その後、タミヤから1/48が発売。大変嬉しい次第ではあったが、なぜ1/35じゃないのかと涙を流す米軍ファンは多かったと推察する。つまりは、このタミヤの新版リリースまで、長らくまともな1/35は市場に存在しなかったのである。それ故、感慨もひとしおである。前置きが長くなったが、キット内容を見てみる。これまでの市場キットと比較するのが失礼な程、パーツが輝いて見える。特にA社で問題だった部分が全てクリアされている。特徴的なオープントップの砲塔に関しては、複合角を伴う砲塔全体形状、天板の傾斜角、カウンターウェイトの形状、閉鎖・駐退器の大きさ、砲塔側面下部の絶妙な丸み等、どれをとっても実車に忠実で素晴らしい。車体についても、側面のボス位置、操縦手・通信手の五角形をした両ハッチ、前部フェンダーの角度、M10A1とは異なるエンジンルーフなど、気になる箇所は全ておさえてある。車体下部も、M4A2独特の車体底～後面が再現されており、さらに新規の中期型ワンピースデフカバー、リターンローラー支持架が水平なVVSSが新規、特徴的なディフレクターも備えてある。また、全体に施された繊細な溶接跡もうっとりする出来である。さらに、最近のタミヤキットでその出来映え著しい付属のフィギュアも、このM10も例外なく良い。せっかくのオープントップかつ角ばった攻撃的な印象のM10なので、戦闘中のフィギュアがピッタリである。車体内部も見える部分は必要十分に再現されており、無駄にパーツを増やさない点では好感が持てる。足りない操縦室部分などは、そのうち他社からレジンキットがでるだろうからそれを待てば良い。出来ればラングやパンターDの砲尾の様に、純正で再現度を高められる別パーツが出ると嬉しいところではあるが…。残念な部分はほぼ無いが、やはりタミヤの米軍戦車共通の悩みとしてハッチのペリスコープが開いていないので、今後ぜひとも改善を望みたい。他に、付属のM2重機関銃には50発弾倉がセットされているが、側面のディテールが無いので自作するか、ア社(旧タ社)のM2重機関銃セットに丸ごと代えてやるのも手である。箱絵は、同社SU-76Mのように後ろから射撃姿勢を見ているようで、緊張感もあり大変格好良い。箱の大きさも同社M4A3E8同様コンパクトで買いやすいのも利点である。長くなったが、「最高のM10が手に入るようになった」この事実が、米軍ファンならば感涙必至である。ぜひとも手にとって、この感動を味わって欲しいと思う。

とても組みやすく、完成したプロポーションは素晴らしいです。フィギュアを乗せると臨場感も出てきますので、フィギュアまで一気に作るといいと思います。

タミヤのM10。砲塔後部のカウンターウエイトが独特の雰囲気を醸し出していますが、砲塔内部とそこに入るフィギュアも秀逸と言えます。 穴を開けたりするところがありますので、作成前には説明書を一通り読んでおいた方がよいでしょう。 作成で特に問題のあるところは無いように思いますが、特に砲塔内部や砲塔が入る車体側は塗装を行う必要がありますので、どのように作成を進めるかは人によって差異はあるでしょう。 履帯はタミヤおなじみのベルト式。まあこれでも良いのですが、部分組み立て式の履帯でもいいのではないかと感じます。 砲弾や小火器の装備品はセットされていますが、これ以外にもゴッソリ載せたいとお考えの方は、タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.347 アメリカ陸軍 戦車兵セット ヨーロッパ戦線 プラモデル 35347やタミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.229 連合軍 車輛アクセサリーセット プラモデル 35229の購入も併せてお薦めします。 それにしても、タミヤのM4やコレのVVSSの足回りは作っていて相変わらずおもしろいです。パーツ分割自体は単純明快なのですが、私自身は妙味を覚えますね。

とくに苦労なく組めます、狭い砲塔内にピッタリ３人収まるのはさすがタミヤ。ただ旧M１０のようなアクセサリー類のオマケが何もないので、自分も含めガキンチョ時代に旧作に触れているおじさん世代には何かもの足りなさを感じるでしょう。